2008年 11月 24日
サマーハウス |
荒野の中の一本道を30分以上走っただろうか。
フィヨルド(入り江)のほとりにぽつんと建つ、木造の小さな一軒家に到着した。
周囲に他の建物は一軒もなく、町から12㎞ほど離れているという。
カーンのパートナーであるアーリンが持つサマーハウス(別荘)で、ここがカンゲルスワック滞在中の私たちの根城となるのであった。
中に入ると室内はきれいに整頓されており、壁に飾られた大きなアザラシの毛皮が壮観だった。アザラシよりだいぶ小さな犬の毛皮、そしてライフル銃も壁に架けられている。
石油ストーブが赤々とたかれた室内は暖かく快適だった。
そして私が何よりうれしかったのは、窓の外に氷結した美しいフィヨルドを望めることだった。
夜になってアーリンとカーンがやってきた。
デンマーク人のアーリンは30代半ばくらいの人の良さそうなお兄ちゃんで、細身のカーンとは対照的に少し丸っこい体型をしている。
カーンがつくってくれた魚のすり身のスープとパンを食べながら、ビールを飲んで歓談した。
幸いアーリンは比較的わかりやすい英語を話す。アルコールの助けを借りたせいもあり、何だかんだと会話も弾んだ。
午後も9時半となり、二人が帰っていった。
この土地と、ここに住む人々を、吉川がしきりと懐かしがっている。3年前の楽しかった思い出が蘇ってきたようだ。
午後10時を過ぎてもまったく暗くならないということが、わかってはいても私を不思議な気持ちにさせる。
窓の外には静かな白い入り江が広がっている。
酒を飲むのにも疲れ、3人とも言葉少なだった。
「あの頃の、明日どこへ連れて行かれるのかもわからずにフラフラしていた頃の方が、楽しかったかもしれないなあ……」
吉川がぽつりと言った。
フィヨルド(入り江)のほとりにぽつんと建つ、木造の小さな一軒家に到着した。
周囲に他の建物は一軒もなく、町から12㎞ほど離れているという。
カーンのパートナーであるアーリンが持つサマーハウス(別荘)で、ここがカンゲルスワック滞在中の私たちの根城となるのであった。
中に入ると室内はきれいに整頓されており、壁に飾られた大きなアザラシの毛皮が壮観だった。アザラシよりだいぶ小さな犬の毛皮、そしてライフル銃も壁に架けられている。
石油ストーブが赤々とたかれた室内は暖かく快適だった。
そして私が何よりうれしかったのは、窓の外に氷結した美しいフィヨルドを望めることだった。
夜になってアーリンとカーンがやってきた。
デンマーク人のアーリンは30代半ばくらいの人の良さそうなお兄ちゃんで、細身のカーンとは対照的に少し丸っこい体型をしている。
カーンがつくってくれた魚のすり身のスープとパンを食べながら、ビールを飲んで歓談した。
幸いアーリンは比較的わかりやすい英語を話す。アルコールの助けを借りたせいもあり、何だかんだと会話も弾んだ。
午後も9時半となり、二人が帰っていった。
この土地と、ここに住む人々を、吉川がしきりと懐かしがっている。3年前の楽しかった思い出が蘇ってきたようだ。
午後10時を過ぎてもまったく暗くならないということが、わかってはいても私を不思議な気持ちにさせる。
窓の外には静かな白い入り江が広がっている。
酒を飲むのにも疲れ、3人とも言葉少なだった。
「あの頃の、明日どこへ連れて行かれるのかもわからずにフラフラしていた頃の方が、楽しかったかもしれないなあ……」
吉川がぽつりと言った。
by antarctic-walk
| 2008-11-24 19:09
| グリーンランド